牛尾の思い出 5

よく、ベィリーさんに夕食を誘われました。 夕方デパ地下へ出かけた折りに、美味しそうなステーキが 安売りしていると、決まって「うちこない?」とお誘い下さいます。 「塩と胡椒で焼いたステーキが好きなの、フランス料理で出てくる のはあまいソースかかってるでしょう」と、フライパンでジュジュ と焼いて、付け合わせにジャガイモやらサヤインゲンやらをのせたら ワインで乾杯! ベィリーさんはあまりお酒が強い訳ではないのですが、私が呑めると 知ってらして、貴方が飲めれば、新しいのを開ける? と言ってくださるので、もちろん飲めますとお酒好きなわたしは 即答します。 その頃は、あまり酔ったと思う事が少なく、かえってベィリーさんに 心配される場面も多かったですねぇ 私が妊娠中は特に「飲んではダメよ!」と、何度も言って くださいました。 こんな酒好きもつわりには勝てませんでしたし、何かお腹に 子供がいると思うと、守らなくてはと言う使命感が湧いてきて、 私にしては優秀にも、断乳するまで一滴も飲みませんでした。 その様子を見て、ベィリーさんは、「あなたやろうと思ったら、 お酒やめられるじゃない、」 誉めてくれたのか、やめられるくらいならもうそんなに飲むなと 言うことなのか、結局わからないままになってしまいました。 おかげで、今も相変わらず毎日飲んでいます。