牛尾の思い出7

ベイリーさんが亡くなった時、私の息子はまだ5歳でした。もっと小さい頃からベイリ〜しゃんベイリ〜しゃんと言っていた息子はよくお行儀をベイリーさんに注意され、その度神妙な顔で「はいっ」と返事をしていたのを思い出します。それでもクリスマスになるとプレゼントを買ってくれるベイリ〜しゃんは大好きで、クリスマスが近づくとベイリーさんの所へいきたがりました。 ある日息子が私にどうして母さんはベイリーさんに丁寧な言葉を使うのか?と質問されて驚きました。そういえば、ベイリーさんと同じ年頃の自分の母や主人の母に、もっとフランクに話しているなあと気づかされました。でもどう言う風に伝えたら良いかよくわからず、ベイリーさんはね、母さんが働いている画廊の社長さんでお給料をくれる人なんだよと話してみましたら子供心に何だか大切な人なのだと思ったのか、次に会う時からとてもお行儀がよくなりました。 そしてベイリ〜しゃんお布団かけてあげますよとお世話している息子に「あら今日は優しいのね」と微笑ましく接してくれるベイリーさんでした。 ベイリーさんが亡くなった時、私は画廊は閉めるつもりでしたが、息子が「ベイリ〜しゃんが悲しいって泣いちゃうよ、僕も頑張るから母さんも頑張って」と言ってくれました。 奥の事務所で

牛尾の思い出 6

私も虫が嫌いですが、それ以上にベイリーさんも虫が嫌い。 私も嫌いだと伝えているのに、虫が出ると「牛尾さ〜ん、早く早く」と必ず呼ばれます。 ゴキブリが身動きせずにすぐそこに現れると、「あなた、新聞紙で打って」と私に新聞紙を握らせます。もうおびえているベイリーさんを見るとわたしが虫は嫌いなんて事は言っていられません。勇気を出して追いかけます。打ち損なってゴキブリが走り回るとふたりでキャーキャー言って女学生の様。 「活エビが送られて来たのよ…」と帰り道不安そうに言って、「あなたエビがさばける?」と言う問いにさばけないと言ったのに、うちに寄っていかないかと誘われて嫌嫌、生きてるエビをおが屑の中から取り出してみたものの…あの沢山はえてる足がムニョムニョしているのを見て、ふたりでまたキャーキャー言って、、結局階下の仲良し猿谷さんを呼んで全てやってもらった思い出。 このくらいの事出来なくちゃ主婦失格と猿谷さんに言われたのですが、未だに生きてるエビは触れないのです。